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論文ピック·2026.08.11

ブタの角膜をヒトに移植する ─ 世界初の試みは、どこまで見えて、どこで止まったのか

2026年、ブタの角膜内皮をヒトに移植する世界初の臨床試験がTransplantationに報告されました。角膜が濁って視力を失った2人に、病原体フリーで遺伝子改変していないブタの移植片を移植したところ、どちらもよく定着して早期に角膜の透明さが戻りました。しかし41日目と154日目に免疫による拒絶が起き、全身の免疫抑制を受けた患者のほうが長く保ちました。ドナー角膜の不足を動物で補えるかという挑戦の、現在地と限界を線引きします。

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ニュース·2026.08.11

オートファジーの薬は人で効くのか ─ Retro Bio「RTR242」第1相の現在地

サム・アルトマンが出資する Retro Biosciences が、細胞の掃除(オートファジー)のうちリソソーム機能を回復させる低分子 RTR242 の第1相試験を進めています。アルツハイマー病を見すえた薬で、豪州の健常者を対象にした無作為化・二重盲検の安全性試験です。CEOは「用量制限毒性は出ていない」と述べ、初期データは2026年8月ごろの公表見込みとされます。ただしデータ本体はまだ未公開です。第1相は安全性を見る段階で、「効く/効かない」はまだ何も言えない、という読み方を整理します。

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論文ピック·2026.08.11

「スーパーエイジャー」は“良い遺伝子”で説明できるのか ─ 90代で記憶力を保つ人のDNAを調べたら、差がなかった

2026年、Alzheimer's Research & Therapy に発表された研究が、80〜90代で50〜60代並みの記憶力を保つ「スーパーエイジャー」142人と、同年代で平均的な89人のDNAを比べました。アルツハイマー病リスクと強く関わるAPOE型でも、多数の遺伝子を合算したリスクスコアでも、両群に差は見つかりませんでした。守っているのは「良い遺伝子」ではなく、まだ見えていない“抵抗力”らしい、という結果です。遺伝子検査で優れた老化を予測できるのか、線引きします。

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話題を検証·2026.08.11

ウロリチンAの“偽サプリ”に賠償命令 ─ 「効く」のは臨床で使われた成分と同じ中身だけ

2026年7月、米連邦地裁が、ウロリチンA配合をうたう19の販売業者に恒久的な販売差し止めと530万ドル超の賠償を命じました。検査では、有効成分が検出されない、または表示量を大きく下回る製品が含まれていました。ただしこれは被告が出廷しなかった欠席判決で、司法が科学的な有効性を認定したわけではありません。臨床試験の成績は「同じ成分・同じ用量の製品」にしか当てはまらない、という当たり前を実例から確認します。

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ニュース·2026.08.11

XPRIZE Healthspan、ファイナリスト10チームへ ─ 「賞金レースの前進」は「効果の証明」ではない

2026年8月11日、総額1億ドル超の健康寿命コンペ「XPRIZE Healthspan」で、第2マイルストーン賞のトップ10(ファイナリスト)が選ばれ、授賞式が開かれました。10チームは2026〜2029年に、50〜80歳を対象に「1年の介入で機能を若返らせられるか」を検証する臨床試験へ進みます。日本からも複数チームが競っていました。賞金レースの前進は「効果の証明」ではない、という線引きと、日本勢の現在地を整理します。

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論文ピック·2026.08.06

人生最初の1,000日の砂糖が、その後のがんと老化を左右するのか ─ 戦後イギリスの“自然の実験”が示したこと

2026年、PNASに発表された研究が、1953年に終わったイギリスの砂糖配給を“自然の実験”に使い、UK Biobankの64,761人を解析しました。人生最初の1,000日(受精から2歳)を砂糖の少ない環境で過ごした人ほど、成人後のがんが用量依存的に少なく、生物学的な老化もゆるやかで、テロメアがわずかに長い傾向が示されました。因果に迫れる大規模データですが、観察研究ゆえの限界もあります。何がわかって、何がまだ言えないのかを線引きします。

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