Ingredient · 成分マスタ
ベンフォチアミン(Benfotiamine)
ビタミンB1(チアミン)の脂溶性誘導体です。通常開発される水溶性のチアミンと比較して生体利用率(腸管からの吸収および組織への移行)が高く設定されています。体内の糖代謝プロセスに介入し、細胞内で有害な終末糖化産物(AGEs)が生成されるのを防ぐ経路を活性化します。糖尿病性神経障害や認知機能低下に対する臨床試験が実施されています。
Target Hallmarks
Food — 食品からの摂取可否
食品から摂れるか
食事ではほぼ不可能
ベンフォチアミンはビタミンB1の脂溶性誘導体で、ニンニクや玉ねぎに天然由来の類似化合物が存在するが、糖尿病性ニューロパチー治療用量(300-600mg/日)を食事から得るのは不可能
主な食材 / 1食目安 → 含有量
- 01ニンニク10g→アリチアミン(類似化合物)微量★ TOP
- 02玉ねぎ100g→微量
- 03一般ビタミンB1食品(豚肉・玄米等)100g→通常型B1
臨床用量
300-600mg/日 (糖尿病性ニューロパチー、ALADIN系試験)
サプリ推奨量
150-300mg/日
結論
ベンフォチアミンは天然物ではなく合成された脂溶性誘導体。糖尿病合併症予防目的ではサプリ必須。ドイツで医薬品として承認済み、日本ではサプリ。
Mechanism
作用機序(メカニズム)
主要なメカニズムは、酵素「トランスケトラーゼ」の活性化による糖化経路のバイパスです。
1. AGEs生成の抑制12 細胞内に過剰なグルコースが流入すると、通常はAGEs生成経路が亢進します。ベンフォチアミンはペントースリン酸経路の酵素であるトランスケトラーゼを活性化し、過剰な糖代謝物を安全な経路へと迂回させることで、AGEsの細胞内蓄積を阻害します1。
2. 糖尿病性神経障害への長期的影響34 2026年に報告された12ヶ月間のランダム化比較試験(BOND study)において、2型糖尿病の多発神経障害患者に対するベンフォチアミンの投与が、形態学的および神経生理学的な指標に与える影響が検証されています3。また、アルツハイマー病患者を対象とした臨床試験でも、認知機能低下の遅延効果が研究されています4。
食品からの摂取目安とサプリの必要性(難易度:不可(サプリ専用))
ベンフォチアミンは実験室で合成されたビタミンB1誘導体(S-アシルチアミン誘導体)であり、自然界の食品には含まれていません。ニンニクなどに含まれる類似成分(アリチアミン)はありますが、ベンフォチアミンとして臨床試験と同等の作用(150〜300mg/日など)を得るためにはサプリメントでの摂取が必須となります。
Evidence
科学的根拠(エビデンス・論文等)
Benfotiamine blocks three major pathways of hyperglycemic damage and prevents experimental diabetic retinopathy.
概要ベンフォチアミンがトランスケトラーゼを活性化し、高血糖によって引き起こされる3つの主要な細胞内ダメージ経路(AGEs生成を含む)をブロックすることを証明した基礎研究。
Benfotiamine in diabetic polyneuropathy (BENDIP): results of a randomised, double blind, placebo-controlled clinical study.
概要糖尿病性多発神経障害の患者を対象としたRCT。ベンフォチアミンの高用量投与が神経障害の症状スコアを有意に改善した。
Effects of benfotiamine treatment over 12 months on morphometric, neurophysiological and clinical measures in type 2 diabetes patients with symptomatic polyneuropathy: a randomized, placebo-controlled, double-blind clinical trial (BOND study).
概要2026年発表の12ヶ月間にわたるRCT(BOND study)。2型糖尿病患者の神経生理学的指標に対するベンフォチアミンの長期投与の影響を評価した。
Benfotiamine and Cognitive Decline in Alzheimer's Disease: Results of a Randomized Placebo-Controlled Phase IIa Clinical Trial.
概要軽度から中等度のアルツハイマー病患者を対象としたRCT。ベンフォチアミンの投与群において、認知機能低下(ADAS-Cogスコア)の遅延傾向が観察された。
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