Ingredient · 成分マスタ
リチウム(Lithium)
微量元素の一つであり、高用量は精神疾患の治療に用いられます。アンチエイジング領域では、低用量(マイクロドーズ)による神経保護作用や寿命への影響が研究されています。疫学調査により、飲料水中の微量リチウム濃度と認知症発症率や全死亡率の逆相関が報告されています。
Target Hallmarks
Food — 食品からの摂取可否
食品から摂れるか
食事+α
飲料水・穀類・野菜の地殻由来微量含有。テキサス州等の高リチウム地域では水道水で日常摂取可能。日本の水道水は通常微量
主な食材 / 1食目安 → 含有量
- 01ミネラルウォーター(地域差大)1L→0.01-1mg(地域による)★ TOP
- 02穀類・小麦100g→微量
- 03野菜(トマト等)100g→微量
- 04微量リチウムサプリ1mg/日→Zarse 2011推奨量
臨床用量
1-5mg/日(寿命延長疫学レベル、Zarse 2011);躁うつ病の医薬品レベルは300-1200mg/日(別物)
サプリ推奨量
1-5mg/日 (Lithium Orotate型)
結論
飲料水中の微量リチウムが寿命と相関(Zarse 2011 Eur J Nutr)。日本では水道水含有量が低いため、低用量サプリで補う選択肢あり。医薬品の高用量(数百mg)とは別物。安全な低用量を医師と相談の上検討。
Mechanism
作用機序(メカニズム)
主要なメカニズムは、GSK-3βの阻害とオートファジー細胞が自身の古くなった異常なタンパク質やミトコンドリアを分解・再利用する「細胞のデトックス機能」。の活性化です。
1. GSK-3βの阻害とオートファジー細胞が自身の古くなった異常なタンパク質やミトコンドリアを分解・再利用する「細胞のデトックス機能」。14 リチウムは、タウタンパク質のリン酸化に関与する酵素「GSK-3β」を阻害します4。これにより異常タンパク質の蓄積が抑制され、軽度認知障害(MCI)の進行を遅らせることが臨床試験で報告されています1。
2. テロメア染色体の末端にある「命の回数券」。細胞分裂のたびに短くなり、限界に達すると細胞は老化・死滅する。の維持23 臨床観察研究において、リチウム服薬者の白血球テロメア染色体の末端にある「命の回数券」。細胞分裂のたびに短くなり、限界に達すると細胞は老化・死滅する。長が対照群と比較して長く維持されていることが確認されています2。また、飲料水中の微量リチウム濃度が高い地域において、認知症の発症リスクが低いことを示すコホート調査が報告されています3。
食品からの摂取目安とサプリの必要性(難易度:不可(サプリまたは処方薬))
微量元素として一部の地域の水道水などに含まれることはありますが、食品からアンチエイジングに有効な量を安定して摂取することは不可能です。目的とする場合は、精神疾患で使われる高用量ではなく、低用量(1〜5mg程度のオロト酸リチウムなど)でのサプリメント摂取が一般的です。
Evidence
科学的根拠(エビデンス・論文等)
Low-dose lithium uptake promotes longevity in humans and metazoans.
概要日本の複数の自治体の水道水に含まれる天然リチウム濃度と死亡率を比較した有名な研究。リチウム濃度が高い地域ほど全死亡率が低く、寿命が長いことが統計的に証明された。
Microdose lithium treatment stabilized cognitive impairment in patients with Alzheimer's disease.
概要非常に微量な(マイクロドーズ)リチウムをアルツハイマー病患者に投与した結果、認知機能の低下を長期間にわたって安定化(抑制)させることに成功した。
Disease-modifying properties of long-term lithium treatment for amnestic mild cognitive impairment: randomised controlled trial.
概要軽度認知障害(MCI)患者を対象としたRCT。低用量のリチウムを長期投与した群は、プラセボ群に比べて認知機能低下の進行が有意に遅くなり、脳脊髄液中のタウタンパク質のリン酸化も抑制された。
Leukocyte telomere length is longer in patients taking lithium.
概要人間の患者データにおいて、リチウムを服用している人はそうでない人に比べて、細胞の老化タイマーである「テロメア」が長く保たれている(細胞の若さが維持されている)ことが証明された。
Lithium as a Treatment for Alzheimer's Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis.
概要複数の臨床試験を統合したメタアナリシス。リチウムの投与がアルツハイマー病や認知機能低下に対する有効な治療戦略であることを結論づけている。
Low-level lithium in drinking water and subsequent risk of dementia: Cohort study.
概要飲料水中の微量リチウム濃度と、その地域の住民の認知症発症リスクの間に負の相関があることがコホート調査により確認された。
Low-Dose Lithium Supplementation Influences GSK3β Activity in a Brain Region Specific Manner in C57BL6 Male Mice.
概要動物実験において、低用量のリチウム投与がタウタンパク質のリン酸化に関与するGSK-3βの活性を特定の脳領域で抑制することが確認された。
Low-dose lithium uptake promotes longevity in humans and metazoans
概要疫学観察+線虫実験のハイブリッド研究(Zarse K et al., イェナ大学)。日本の地域別疫学で水道水中の極微量リチウム濃度(医薬品の1000分の1以下)と全死亡率に有意な負の相関。線虫実験で同濃度の低用量リチウムが寿命延長を実証。GSK3β阻害が共通機序として示唆される。「リチウムは躁うつ薬」のイメージを覆し、極微量(1-5mg/日)で寿命延長効果がある可能性を示した重要論文。
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