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Ingredient · 成分マスタ

ウロリチンA(Urolithin A)

HumanLv 3/Animal/MechLv 3

ザクロやベリー類に含まれるエラグ酸を腸内細菌が代謝して産生される「マイトファジー誘導物質」です。劣化したミトコンドリアを選択的に分解・リサイクルするマイトファジーを直接刺激することが2016年に世界で初めて実証され1、サプリ業界に革命をもたらしました。

Andreux 2019 Nature Metabolism(初のヒト試験)で安全性と筋肉でのマイトファジー関連バイオマーカー上昇が示され2、Liu 2022 JAMA Network Open(N=88、4ヶ月RCT)で65歳以上の高齢者の筋持久力改善が実証3。2024年の若年アスリート試験では筋力は有意差未達ながら炎症・酸化ストレスマーカーが改善4。心不全患者(N=10、4週間)では主要心エコー指標の有意な改善は確認されませんでした5。米国NIA ITPでの寿命延長試験は未実施です。

Target Hallmarks

01ゲノム不安定性
02テロメア短縮
03エピジェネティクス変化
04タンパク質恒常性の喪失
05マクロオートファジーの機能低下
06栄養センシングの異常
07ミトコンドリア機能障害
08細胞老化
09幹細胞の枯渇
10細胞間コミュニケーションの異常
11慢性炎症
12ディスバイオーシス(腸内細菌叢の乱れ)

Food — 食品からの摂取可否

食品から摂れるか

食事ではほぼ不可能

食材中のエラグ酸を腸内細菌が変換するが、変換能力を持つ人は約30-40%のみ。臨床用量(500-1000mg)に到達するには大量摂取が必要

主な食材 / 1食目安 → 含有量

  • 01
    ザクロジュースコップ1杯(200ml)産生量は個人差大★ TOP
  • 02
    ザクロ実1個(150g)同上 不安定
  • 03
    ラズベリー/イチゴ100gエラグ酸を含有
  • 04
    クルミ30gエラグ酸を含有

臨床用量

500-1000mg/日 (Andreux 2019・Liu 2022)

サプリ推奨量

500mg/日 (Mitopure®等の標準化サプリ)

結論

ウロリチンA自体は食品に存在せず、エラグ酸を腸内細菌(主にEnterocloster属)が代謝して産生する。生成能力を持つ人は世界人口の約30-40%のみで、ザクロを食べても多くの人は十分量を作れない。確実に摂取するためにはMitopure®等の直接サプリが必須。

Mechanism

作用機序(メカニズム)

ウロリチンAの抗老化メカニズムの核心は、「マイトファジーの活性化」によるミトコンドリアの品質管理です。

1. マイトファジー(不良ミトコンドリアの選択的廃棄)の誘導12 細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアは、加齢とともに傷つき、有害な活性酸素(ROS)をまき散らすようになります。ウロリチンAは、この「不良品ミトコンドリア」を選択的に細胞自らに分解させ(マイトファジー)リサイクルさせる作用を持ちます1。2016年のRyu et al. Nature Medicine論文で、線虫の寿命延長と老齢マウスの筋機能向上が実証された画期的成果です1。続いてAndreux 2019 Nature Metabolismで、ヒトでも安全に筋肉のマイトファジー関連遺伝子発現を上昇させることが確認されました2

2. 高齢者での筋持久力改善RCT3 Liu 2022 JAMA Network Open(N=88、4ヶ月、500または1000mg/日)で、65歳以上の中高年で膝伸展・脚伸展の筋持久力(疲労前の繰り返し回数)が有意に改善しました3。さらに血漿バイオマーカー(炎症性サイトカイン・アシルカルニチン)・骨格筋プロテオミクスのミトコンドリア関連タンパク質も改善。「分子レベルの効果」と「機能としての改善」の両方を実証した重要RCTです。

3. アスリートでの筋力試験 — 結果は限定的4 Singh 2024(N=20、8週間、1g/日)では、レジスタンストレーニング中の男性アスリートで1RMベンチプレス・スクワットが増加したものの、**統計的有意差には至りませんでした**4。一方で炎症マーカーと酸化ストレスは有意に低下し、トレーニング適応の改善は示唆されます。若年健常者で筋力増強サプリとしての期待は控えめに評価すべきです。

4. 心不全への応用 — 主要評価項目で効果未確認5 駆出率低下型心不全(HFrEF)患者10名へのクロスオーバーRCT(500mg×2回/日 × 4週間)では、**LVEF・LVEDD・LVESV・TAPSE等の主要な心エコー指標に有意な改善は確認されませんでした**5。マイトファジーによる心筋保護は理論的根拠は強いものの、本サンプル規模では効果未実証。今後より大規模・長期の試験が必要です。

Evidence

科学的根拠(エビデンス・論文等)

1人間での臨床試験JAMA Network Open

Effect of Urolithin A Supplementation on Muscle Endurance and Mitochondrial Health in Older Adults: A Randomized Clinical Trial

概要健康な高齢者にウロリチンAを投与した結果、運動を行わなくても筋肉の持久力が有意に向上し、全身の細胞レベルでミトコンドリアの健康状態(マイトファジー)が劇的に改善した。

2022-01-21 発表論文を読む
2動物実験(in vivo)Nature Medicine

Urolithin A induces mitophagy and prolongs lifespan in C. elegans and increases muscle function in rodents.

概要ウロリチンAが強力なマイトファジー(ミトコンドリアのオートファジー)誘導剤であることを世界で初めて証明し、線虫の寿命延長と老齢マウスの筋機能向上を報告した歴史的論文。

2016-07-01 発表論文を読む
3人間での臨床試験Nature Metabolism

The mitophagy activator urolithin A is safe and induces a molecular signature of improved mitochondrial and cellular health in humans.

概要人間に対する初の大規模な安全性試験。ウロリチンAの経口摂取が安全であり、実際に人間の筋肉組織においてミトコンドリアの再生(マイトファジー)のバイオマーカーを活性化させることを証明。

2019-06-01 発表論文を読む
4ランダム化二重盲検プラセボ対照試験 (N=20、8週間)Journal of the International Society of Sports Nutrition

Assessment of Urolithin A effects on muscle endurance, strength, inflammation, oxidative stress, and protein metabolism in male athletes with resistance training: an 8-week randomized, double-blind, placebo-controlled study

概要Singh 2024 J Int Soc Sports Nutr。レジスタンストレーニングを行う男性アスリート20名を対象に、ウロリチンA 1g/日を8週間投与した二重盲検プラセボ対照RCT。【結果】ベースラインと比較し、UA群でベンチプレス・スクワットの1RMが増加したが**統計的有意差には至らず**。一方、酸化ストレスマーカー・炎症マーカーは有意に低下。トレーニング適応の改善は示唆されるが、筋力増強自体は「有意な向上」ではない点に注意。

2024-11-02 発表論文を読む
5ランダム化二重盲検クロスオーバー・プラセボ対照試験 (N=10、4週間×2)Reviews on Recent Clinical Trials

Evaluation of Urolithin A Efficacy in Heart Failure Patients with Reduced Ejection Fraction: A Randomized, Double-blind, Crossover, Placebo-controlled Clinical Trial

概要Heart Failure RCT 2024。駆出率低下型心不全(HFrEF)患者10名に対し、ウロリチンA 500mg×1日2回を4週間投与する2×2クロスオーバーRCT。【結果】**主要評価項目(LVEF・LVEDD・LVESV・TAPSE等の心エコー指標)で有意な改善は確認されず**(failed to reveal any significant effect)。マイトファジーによる心筋保護の理論的根拠から立案された予備試験だが、本サンプル規模・期間では効果未実証。心不全への臨床応用にはさらなる大規模試験が必要。

2024-02-28 発表論文を読む

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