カナグリフロジン(Canagliflozin)
腎臓の近位尿細管におけるブドウ糖の再吸収を阻害し、尿中にブドウ糖を排出させるSGLT2阻害薬(2型糖尿病治療薬)です。米国国立老化研究所(NIA)の「介入テストプログラム(ITP)」において、オスのみとはいえ【マウスの寿命を有意に延長(最大14%)】したことが証明され、長寿医学の分野においてメトホルミンやアカルボースに次ぐ次世代の「抗老化ドラッグ」として大きな注目を集めています。長寿効果の背景には、単なる血糖低下だけでなく、疑似的なカロリー制限状態を作り出すことによるmTORエムトール。細胞の成長や増殖を促進するタンパク質キナーゼ。これを適切に阻害することが寿命延長の強力なスイッチとなる。の抑制とAMPK細胞内のエネルギーセンサー。運動やカロリー制限で活性化され、全身の代謝を若返らせる。の活性化が関与していると考えられています。
カナグリフロジンは、リンゴの樹皮から発見された成分(フロリジン)を構造改変して開発された完全な「医薬品」であり、日常的な食品やサプリメントからは一切摂取できません。効果を得るには医師の処方(商品名:カナグルなど)、または個人輸入を利用する必要があります。
作用機序(メカニズム)
科学的根拠(エビデンス・論文等)
Canagliflozin extends life span in genetically heterogeneous male but not female mice.
📌 概要:米国国立老化研究所(NIA)の介入テストプログラム(ITP)。カナグリフロジン投与により、オスマウスの中央寿命が14%延長した(メスには寿命延長効果が見られなかった)。
Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes (CANVAS Program).
📌 概要:10,142人の2型糖尿病患者を対象とした国際的大規模試験。カナグリフロジン投与群はプラセボ群と比較して、心血管イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中)のリスクを14%有意に低下させた。
Canagliflozin and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes and Nephropathy (CREDENCE).
📌 概要:腎疾患を伴う2型糖尿病患者において、カナグリフロジンは末期腎不全への進行や心血管死のリスクを30%減少させ、極めて強力な腎臓保護作用を持つことが証明された。
Sodium-glucose co-transporter-2 (SGLT-2) inhibition reduces glucose uptake to induce breast cancer cell growth arrest through AMPK/mTOR pathway.
📌 概要:SGLT2阻害が細胞へのグルコース取り込みを意図的に低下させ、エネルギー枯渇を感知するAMPKを活性化し、同時に老化経路であるmTORを抑制するメカニズムを解明した。
Canagliflozin retards age-related lesions in heart, kidney, liver, and adrenal gland in genetically heterogenous male mice.
📌 概要:ITPにおける最新の病理学的解析。カナグリフロジンを投与されたマウスでは、加齢に伴って発生する心臓・腎臓・肝臓などの微小な病変(組織の老朽化ダメージ)の進行が有意に遅延していることが確認された。
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