メラトニン(Melatonin)
脳の松果体から分泌されるインドールアミン系のホルモンです。W・ピエルパオリ博士らの初期の研究により、松果体とメラトニンが生物の老化時計に深く関与することが示されました。概日リズム(睡眠・覚醒のサイクル)の調整薬として広く知られていますが、血液脳関門や細胞膜を容易に通過し、ミトコンドリア内で直接的な抗酸化物質として働くことが解明されています。
クルミ、トマト、チェリー、ピスタチオなどに微量に含まれています。食品からの摂取で血中濃度がわずかに上昇することは確認されていますが、加齢に伴う分泌量低下を補い、抗酸化物質としての十分な細胞保護効果(1〜3mg以上)を得るためには、食品のみでの達成は困難であり、サプリメントの利用が現実的です。日本ではサプリメントではなく医薬品扱いとなります。
作用機序(メカニズム)
科学的根拠(エビデンス・論文等)
Melatonin as an antioxidant: under promises but over delivers.
📌 概要:メラトニンおよびその代謝産物が強力な抗酸化カスケードを形成し、受容体を介さず直接ミトコンドリアを保護するメカニズムの総説。
The pineal aging clock. Evidence, models, mechanisms, interventions.
📌 概要:ピエルパオリ博士らによる初期の画期的な研究。老齢マウスへの松果体移植やメラトニン投与が寿命を顕著に延長させることを示した。
Melatonin effects on the left ventricular function in neonates with persistent pulmonary hypertension.
📌 概要:2026年発表のRCT。肺高血圧症を伴う新生児において、メラトニンの投与が左心室機能(心筋)の保護効果を示すことが確認された。
Role of melatonin for prevention of necrotizing enterocolitis in preterm infants: a randomized controlled trial.
📌 概要:2026年発表のRCT。未熟児の壊死性腸炎の予防におけるメラトニンの役割を検証し、炎症の抑制と組織保護効果が示された。
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