【日本勢まとめ】XPRIZE Healthspan 日本の8チーム全解説 ─ NMN・抗体・セノリティック・エピゲノム編集ほか
$101MのXPRIZE Healthspanで、日本からHealthspan部門6チーム+FSHD部門2チームの計8チームがTop40/Top8に選出。生活習慣型(AutoPhagyGO・JLC)、NMN老舗(阿部養庵堂)、抗体×クライオ電顕(TIME TRAVELER)、セノリティック(東北大LOGIN)、計測基盤(東大Goda Lab)、エピゲノム編集(Modalis)、ドラッグリパーパシング(ASAGI Labs)まで、日本勢を一覧で解説する日本語インデックスです。
最終更新: 2026年7月 / 監修: WSN. 私たちは、死なない。 編集部
結論(30秒で読める要約)
- $101MのXPRIZE Healthspanで、日本はHealthspan部門で6チーム(Top40)+FSHD部門で2チーム(Top8)の計8チームが選出されました12。
- アプローチが実に多彩です。生活習慣型(AutoPhagyGO、Japan Longevity Consortium)、NMNの老舗(阿部養庵堂薬品)、抗体×クライオ電顕→低分子化(TIME TRAVELER×キュライオ)、セノリティック(東北大・LOGIN)、計測・発見基盤(東大・Goda Lab)、エピゲノム編集(Modalis)、ドラッグリパーパシング(ASAGI Labs)。
- 深掘り記事があるのは3チーム:AutoPhagyGO×電通・Japan Longevity Consortium・Modalis Therapeutics。本記事は残りも含めた日本勢インデックスです。
- 共通するのは、どのチームもまだ「提案・前臨床」段階で、ヒトでの機能若返りは実証されていないこと。本番は2026年以降の臨床試験です。
- 本記事は公開情報の整理であり、特定チーム・治療・製品の効果や安全性、受賞・投資の見通しを保証するものではありません。
▼ あわせて読む
- 全体像(ハブ) → XPRIZE Healthspanとは(完全ガイド)
日本勢 8チーム一覧
| 部門 | チーム | 拠点 | アプローチ | 個別記事 |
|---|---|---|---|---|
| Healthspan | AutoPhagyGO×Curations×電通 | 大阪/東京 | オートファジーを4本柱で活性化 | 解説 |
| Healthspan | Japan Longevity Consortium | 東京(順天堂・東大・阪大) | 生物学的年齢×和食など5要素 | 解説 |
| Healthspan | 阿部養庵堂薬品 | 東京・足立 | NMN(世界初の食品化)ベース | 本記事 |
| Healthspan | TIME TRAVELER×キュライオ | 東京 | 抗老化抗体+クライオ電顕→低分子化 | 本記事 |
| Healthspan | LOGIN(Longevity Innovator) | 仙台(東北大) | PAI-1阻害薬TM5614のセノリティック | 本記事 |
| Healthspan | Goda Lab | 東京(東大) | 光×AIの計測・発見基盤 | 本記事 |
| FSHD | Modalis Therapeutics | 東京 | エピゲノム編集でDUX4を抑制 | 解説 |
| FSHD | ASAGI Labs | 長野・軽井沢 | 既存薬のドラッグリパーパシング | 本記事 |
個別に紹介(深掘り記事のないチーム)
阿部養庵堂薬品 ─ 1731年創業、NMNの先駆
享保16年(1731年)創業、江戸幕府の生薬(漢方)を扱った歴史を持つ老舗(10代目・阿部知成 代表)。近年はNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)に注力し、独自研究を厚生労働省に提出して世界で初めてNMNを「食品」として位置づけたとされます。東京大学を含む国内8大学と連携し、12カ国に展開。XPRIZEにはNMNを軸にした健康寿命延伸で挑みます13。300年の生薬の歴史と最先端の長寿科学を橋渡しする、物語性の強いチームです。
TIME TRAVELER × キュライオ ─ 抗体を「低分子」に落とし込む
TIME TRAVELER社(東京・台東区、アカデミア発で創業まもなく世界の舞台へ)とキュライオ社(東京・文京区)の連合。老化を遅らせる抗体医薬を開発しつつ、クライオ電子顕微鏡で抗体と標的の複雑な立体構造を解き、抗体と同等の効果を持つ“低分子化合物”を設計しようという狙いです14。「効くけれど高価で扱いにくい抗体」を、「飲みやすく手の届く薬」に翻訳しようとする発想が特徴です。
LOGIN(Longevity Innovator)─ 東北大の“老化細胞除去薬”
仙台拠点のチーム。東北大学・宮田敏男教授の研究グループ、株式会社レナサイエンス、東海大学、広島大学、米ノースウェスタン大学らが参画5。長年開発してきた**PAI-1阻害薬「TM5614」**の抗加齢作用に基づき、がん化を促さずに老化細胞を抑える“セノリティック(老化細胞除去)”の新規低分子薬を提案してTop40入りしました5。“創薬”の王道で老化に挑む学術×企業チームです。
Goda Lab(東京大学)─ 光とAIで「測る・見つける」
東京大学の合田圭介 教授の研究室(本郷・文京区)。光量子科学・ナノ技術・マイクロ流体・ロボティクス・情報科学を融合し、“セレンディピティ工学(狙って偶然の大発見を起こす技術)”を掲げる異色の研究室です。XPRIZEでの具体的な介入内容は公開情報が限られますが、老化を高精度に「測る・見つける」計測プラットフォームの強みが背景にあると見られます1。
ASAGI Labs(長野・軽井沢)─ FSHDにドラッグリパーパシング
FSHDボーナス賞のTop8ファイナリスト(長野・軽井沢拠点)。**既存の承認薬を別用途に転用する「ドラッグリパーパシング」**でFSHD(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)と加齢課題に挑みます26。ゲノム編集(Modalis)とは対照的に、すでに安全性が分かっている薬を使うことで実用化を早めようという現実的なアプローチです。
WSN編集部の見方
- アプローチの幅が日本勢の魅力。生活習慣(AutoPhagyGO・JLC)から、NMN(老舗・阿部養庵堂)、抗体→低分子(TIME TRAVELER)、セノリティック(東北大)、計測基盤(東大)、エピゲノム編集(Modalis)、既存薬転用(ASAGI)まで、“老化への攻め方”の見本市になっています。
- ただし共通の注意点は同じです。どれも「提案が評価された/前臨床」段階で、ヒトで機能を10年戻せたわけではありません。真価は2026年以降のセミファイナル臨床とTop10選考で問われます。
- 上場企業・大学・老舗と主体が多彩なぶん、受賞や提携の“話題”と、臨床での“実証”を分けて読むことが大切です。
- WSNは、日本勢の健闘を応援しつつ、煽らず・正直に、各チームの臨床の関門を追っていきます。深掘り記事のあるチームは随時更新し、動きの大きいチームは個別記事化も検討します。
関連記事
- XPRIZE Healthspanとは(完全ガイド・ハブ)
- AutoPhagyGO×電通「オートファジー・リブースト」
- Japan Longevity Consortium(順天堂・東大・阪大)
- Modalis Therapeutics(FSHD・エピゲノム編集)
- 老化の12のホールマーク
参考文献(主要なものを抜粋)
1. XPRIZE Foundation. $101M XPRIZE Healthspan Awards First Milestone Winners / Qualified Teams Book 2025. 2025年5月.(Top100準決勝・Top40マイルストーン1・FSHD Top8の公式一覧。日本チームの所在地を含む)
2. ヒフコNEWS(美容皮膚科学会系メディア). 「XPRIZE Healthspan」日本勢8チームが勝ち抜け ─ 日本抗加齢医学会・山田秀和理事長インタビュー. 2025年6月.(日本勢8チーム〔Healthspan 6+FSHD 2〕の概況)
3. 株式会社阿部養庵堂薬品. 「10歳若返り」で賞金150億円、阿部養庵堂薬品が『XPRIZE Healthspan』に挑戦. プレスリリース. 2025年.(1731年創業、NMNの食品化、国内8大学連携、XPRIZE挑戦)
4. TIME TRAVELER株式会社. 『XPRIZE Healthspan』準決勝進出「Top 40 Milestone Award」受賞/TIME TRAVELER社・キュライオ社が挑戦. ニュース・プレスリリース. 2025年.(抗老化抗体、クライオ電顕による低分子化のアプローチ)
5. 東北大学. 世界的な長寿医療コンペティションXPRIZE Healthspan TOP40に入賞. 東北大学 プレスリリース. 2025年5月13日.(宮田敏男教授・レナサイエンス・東海大・広島大・ノースウェスタン大。PAI-1阻害薬TM5614の抗加齢作用に基づくSenolytic drugを提案)
6. 株式会社ASAGI Labs. 「ASAGI Labs」がXPRIZE Healthspan FSHD Bonus PrizeのTop8/決勝へ選出. プレスリリース. 2025年5月.(長野・軽井沢。ドラッグリパーパシングでFSHDに挑戦)
編集方針・免責事項
- 本記事は、公開情報(各チーム・大学の公式発表、XPRIZE公式、報道)をもとに日本勢の取り組みを整理したもので、特定チーム・治療・製品・成分の効果や安全性、受賞・投資の見通しを保証するものではありません。
- 各チームの提案は評価・前臨床の段階であり、ヒトでの機能若返りが実証されたことを意味しません。
- 上場企業に関する記載は事実の整理であり、投資判断・売買推奨ではありません。
- 情報は最終更新時点のものです。チーム構成・選考状況・日程は今後変動します。最新情報は各チーム公式・XPRIZE公式をご確認ください。
この記事は WSN. 私たちは、死なない。 編集部により2026年7月に作成・公開されました。XPRIZE Healthspanの進行に合わせて随時更新します。
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