光免疫療法がすごい
こんばんはyutaです。
老化が防げたとしても病気で死ぬことも防がなくてはなりません。癌はその中でも現在最も怖い存在です。光免疫療法は癌治療に革新的な展開をもたらすかもしれません…
光免疫療法の概要はこんな感じです。動画が一番わかりやすいです。10分ぐらいなので見てください。フェーズ1のアメリカの臨床試験で、15例中14例で、がんが30%以上縮小、そのうち7例で、がんが消えたと報告されています。
この時点で治験のフェーズ1でしたが、2019年現在ではより患者数を増やしたフェーズ3の治験が行われています。まだ、開発段階ではありますが、着々と実用化に向けて進んでいるようです。
以下自分のためのメモです。
光免疫療法とは
●がん細胞に発現しているタンパク質に結合する抗体に非熱性赤色光と化学反応を起こす光感受性物質(IRDye® 700DX:色々な抗体を試した結果により見つかった、これは近赤外光を当てることで構造が変化するスイッチのような化合物である)を付与した薬剤をつくる。
(がん細胞にくっつく抗体にがん細胞を壊す仕組みを細工する)
●この薬剤を静脈に注射し、がん細胞と結合するのを待つ。
●光ファイバーを病変に到達させて非熱性赤色光を照射すると光感受性物質が反応して、がん細胞が破壊される。(がん細胞膜上のタンパク質にIRDye® 700DXが結合した状態で赤色光をあてると、IRDye® 700DXの物性が変化してがん細胞膜上のタンパク質とIRDye® 700DXの複合体ごと変形や凝集体を生じることで,がん細胞膜が傷害されると考えられる)
●赤色光によりがん細胞の細胞膜に穴が空き、その穴から水が入り込んで細胞が破裂するイメージです。
以上です。とてもシンプルです。
光免疫療法の何がすごいか
●がん細胞を壊すために光感受性物質と非熱性赤色光との反応が必要なため、薬剤が結合していない、もしくは非熱性赤色光が当たらない細胞では起こらない。つまり通常の癌治療と異なり、がん細胞以外の正常な細胞を壊さないため、副作用などなしに何度も繰り返し治療が行える。
●光ファイバーを使って病変に直接非熱性赤色光を当てるので、場所によって治療できないなどの問題がない。
●光免疫療法は、熱を使ったり、凍結をしたりすることなくがん細胞を破壊するため、破壊されたがん細胞の破片は、免疫細胞にとって良い抗原(免疫反応を引き起こす物質)となる可能性がある。
どういうことかというと…。動物実験で、腫瘍を異なる4か所に移植したマウスの一番大きな腫瘍に対して非熱性赤色光を照射すると、4つすべての腫瘍が消えることが確認された。つまり、体内でがんを攻撃し効果的な免疫状態ができれば、転移したがんに対しても効果が得られる可能性がある。
すごい!
小林先生は「免疫細胞を残したままがん細胞だけを変性なく破壊して”質の良い”抗原を作り、その後に免疫を増強させて、全身のがん細胞を消滅させる」ような治療法を目指しておられるようです。
すばらしい
と持ち上げましたが、最後にひとつ課題を…
現在臨床試験にて用いられているのは、EGFRというがん細胞が増殖する信号を細胞内に伝える役割をもつタンパク質で、がん細胞の表面に多く存在しています。そのため「EGFR」が多く出ていないがん腫については十分な効果が得られない可能性があるようです。そのため、臨床試験は頭頸部がんで行われており、今後は食道がんなどが対象となるようです。
研究段階ですが、EGFR以外にもHER2やCD20などの抗体など様々な抗体に対して光免疫療法を試しているようです。がんに発現しているタンパク質の種類によって抗体を選べるようになればあらゆるがんに対して光免疫療法がつかえるようになるかもしれません。とにかく期待したいです。楽天メディカルの株買っちゃおうかしら
この記事は、旧ブログ『私たちは死なない』(Ameba)からの移行記事です。