すれ違うふたり
2015年夏。
私たちが互いの道を歩み始めてから3か月が経ち、
今年も暑い季節がやってきた。
koroは大学院での研究生活に限界を感じていた。
koroが所属する研究室はブラック研究室だったのだ。
卒業も就職も絶望的であり、彼女は毎日が憂鬱で仕方がなかった。
不老不死なんて夢のまた夢。
明日さえ見えないような毎日の中で気力を失いかけていた。
一方、企業に就職したyutaは新たな環境で仕事を覚えることに忙しく、
目まぐるしくも充実した日々を過ごしていた。
koroは不安だった。
私たちは不老不死に向かって進んでいるのだろうか?
人生を双六に例えるならばコマを進められているのだろうか?
私たちはまだ何もしていない。何をすればいよいのかもわからない。
しかし、とにかくこのままではダメだ!!
不老不死に対する情熱さえ失い日常に埋もれてしまっている!
こんな風に考えていられるほど、まだ心身ともに余裕があったことに
後に気が付くことになるが、このときのkoroはとにかく焦っていた。
ある晩、koroはyutaに気持ちをぶつけた。
「私たちこのままじゃダメだと思うの。うまく言えないけど・・・」
「そうかな。俺は頑張っているよ。お金を貯める目標に向かって頑張っているよ。」
悲しかった。漠然とした不安を抱いているのはkoroだけで、
まるで気持ちを共有できていないということがわかったからだ。
それもそのはず、yutaはお金を貯めることが目的になってしまっていたのだ。
koroとyutaは同じ目標に向かい道は違えど共に努力するはずだった。
私たちの双六のゴールはどこにあるのだろう?
私たちはサイコロを振ってすらいないのではないだろうか?
続く
この記事は、旧ブログ『私たちは死なない』(Ameba)からの移行記事です。